子育てをしていると「子どもの食事の悩み」は必ずといっていいほど出てきます。その中でも特に多くのママ・パパを悩ませるのが「偏食」です。
「せっかく作ったのに全然食べない」
「野菜を見ただけで拒否する」
「同じものばかり欲しがる」
食事の時間が楽しいはずなのに、毎回イライラしてしまう自分に落ち込んだり、「私の料理のせいかな」と罪悪感を抱いたり…。私もその一人でした。
私の子どもが偏食で悩んだ日々
うちの子は1歳半を過ぎたころから好き嫌いがはっきりしてきて、特に野菜を一切食べなくなりました。
最初は「まぁ、そのうち食べるようになるだろう」と軽く考えていたのですが、2歳を過ぎてもほとんど野菜を口にしない。にんじん、ピーマン、ほうれん草、ブロッコリー…色のついた野菜は見るだけで「いやっ!」と顔をしかめ、皿を押しのけることもありました。
一方で、白ごはんやうどん、ポテトフライは大好きでいくらでも食べる。栄養のバランスが心配になり、「このままじゃダメだ」と焦る気持ちが日に日に大きくなっていきました。
食事がストレスに変わっていく
それまで私は「食卓は楽しい時間にしたい」と思っていました。ところが子どもが偏食をするようになってからは、食事の時間がだんだん憂鬱になっていったのです。
「また残されるのかな」
「今日はどうやったら食べてくれるだろう」
食事を用意しながらそんなことばかり考えるようになりました。結局残されて、私が片付けるときに「なんで食べてくれないの!」とイライラが爆発してしまう。そんな自分が嫌でたまらなくなる…。
偏食はただの「好き嫌い」ではなく、親の気持ちにも大きく影響する問題だと痛感しました。
最初にやってみた工夫と失敗談
当時の私は「どうにかして食べさせなきゃ」という気持ちが強すぎて、次のような工夫をしました。
- 野菜をすりつぶしておかゆに混ぜる
- カレーやシチューに細かく刻んで隠す
- 好きなポテトに混ぜ込んで揚げる
でも結果は…。最初の一口でバレて吐き出されたり、匂いで気づかれて食べてもらえなかったり。「あ、これはダメなんだ」と思った瞬間、どっと疲れてしまいました。
「もうどうしたらいいの?」と涙が出る夜もありました。
支えになった言葉
そんな時、子育て支援センターの栄養士さんに相談したときにかけてもらった言葉があります。
「偏食は成長の過程でよくあること。無理やり食べさせなくても大丈夫。少しずつ“食べるきっかけ”を増やしてあげればいいんです。」
その言葉に、肩の力が抜ける思いがしました。「ちゃんと食べさせなきゃ」というプレッシャーで私自身が苦しくなっていたんだ、と気づいたんです。
私が実際に取り入れた工夫
栄養士さんのアドバイスをきっかけに、私は「無理に食べさせる」から「自然に食べてみたくなる工夫をする」にシフトしました。
- 食材の形を変える
にんじんを星型やハート型に切ってみたり、ブロッコリーを小さな房に分けてお弁当風に盛り付けると、意外と手が伸びることがありました。 - 一口サイズで出す
大きな野菜は威圧感があるみたいで、ひとくちで食べられる大きさにして「これは食べられるかな?」と聞くと、案外挑戦してくれることがありました。 - 一緒に料理をする
包丁は危ないので触らせませんが、野菜を洗ったり、盛り付けを手伝ってもらう。「自分で作った!」という気持ちになると、口に入れる確率が少しだけ上がりました。
成功した工夫と失敗した工夫
子どもの偏食対策は「これをやれば絶対大丈夫」という正解がなく、試行錯誤の連続でした。私も色々と挑戦して、うまくいったものと全然ダメだったものがありました。
成功したこと
- 小さな一口チャレンジ:「ひとくちだけ食べたらOK」と声をかけたら、意外と挑戦してくれることが増えました。完食を求めると拒否されるので、ひとくち作戦は効果的でした。
- 好きな味に寄せる:うちの子はチーズが好きだったので、茹でたブロッコリーにチーズをかけてオーブンで焼いたら、少しずつ食べるようになりました。
失敗したこと
- ご褒美作戦:「これを食べたらお菓子ね」と言ったら、お菓子だけを目当てにして余計に野菜を嫌がるようになってしまいました。
- 無理やり口に入れる:焦って「ほら一口!」と無理に入れてしまったことがあります。泣き叫ばれてしまい、食事がますます嫌な時間になってしまったのは反省点です。
食卓を楽しい雰囲気にする工夫
偏食を改善するためには「食卓の空気」を変えることも大事だと気づきました。私は以前、食べないことにイライラしてしまっていましたが、それだと子どもはさらに拒否反応を示します。
そこで意識したのは:
- 「食べないことを責めない」
- 「一緒に食べている楽しさを大事にする」
- 「食べた量よりも、座って一緒に食卓にいることを褒める」
これを意識すると、食べる量はすぐには増えなくても、少しずつ新しい食材に手を伸ばすようになりました。
周囲のサポートを受ける
一人で悩んでいると「私だけがダメな母親なのかな」と思ってしまいますが、実際は多くの家庭で偏食の悩みがあります。
私は:
- 保育園の先生に相談し、給食の様子を教えてもらった
- 栄養士さんに「食べられるものを増やすより、食べないストレスを減らすことが大事」とアドバイスをもらった
- 同じ子育て中のママ友と「うちもだよ!」と共感し合って救われた
特に保育園では集団の中で「みんな食べてるから自分も食べる」という姿があり、家庭では食べなかった野菜を食べることもあったので驚きでした。
親の気持ちを整える大切さ
偏食に悩んでいた時期、私自身が「食べさせなきゃ」というプレッシャーで疲れ果てていました。でも、子どもの栄養は一食ごとで考える必要はなく、数日単位で見れば大丈夫だと知って気持ちが楽になりました。
例えば:
- 朝は好きなパンやフルーツ
- 昼は保育園でバランスの取れた給食
- 夜は食べられるおかずを中心に
こうして「1日のトータル」「数日のトータル」で考えると、「夜に野菜を食べなかったからといってすぐに栄養不足になるわけではない」と思えるようになりました。
少しずつ改善していった変化
試行錯誤を続けて2年ほど経った頃、少しずつ「食べられる野菜」が増えていきました。最初はコーンや枝豆といった甘みのあるものから、次ににんじんのグラッセ、ほうれん草の卵炒めと範囲が広がっていったんです。
今では完璧とは言えませんが、以前ほど「野菜ゼロ」ではなくなり、私の気持ちもぐっと楽になりました。
我が家で実際に役立った工夫リスト
偏食対策で一番大事なのは「一度で効果を求めないこと」でした。少しずつ積み重ねることが大切です。私がやって良かった工夫をリスト形式でまとめます。
- 食材を小さくカットする:にんじんをすりおろしてハンバーグやカレーに混ぜると、気づかずに食べてくれることもありました。
- 食卓に必ず1つ“好きなもの”を置く:全部が苦手だと絶望感があるようで、1つ好きなものがあると安心して座ってくれました。
- 一緒に調理する:「今日はサラダを作ろう」と子どもにトマトをちぎってもらうと、自分が関わった食材を少し食べてみることもありました。
- キャラクター食器を活用:アンパンマンのお皿にのせると、「アンパンマンが見てるから食べる!」と言って、数口食べてくれることも。
- 盛り付けを遊び感覚に:ブロッコリーで木を作ったり、トマトをお花の形に置いたりすると「食べてみようかな」となりやすかったです。
偏食対策に役立ったレシピ
偏食っ子のために工夫したレシピも紹介します。これらは我が家で「食べられた!」と成功したものです。
- 野菜入りハンバーグ:玉ねぎだけでなく、人参・ピーマン・ほうれん草を細かく刻んで混ぜ込みました。味はいつも通りなので気づかれにくい。
- カレーリゾット:カレーは強い味なので、細かくした野菜を入れるとほとんど気づかずに食べてくれました。
- ポタージュスープ:かぼちゃやじゃがいもと一緒に玉ねぎ・人参を煮込み、ミキサーで滑らかに。色は鮮やかで甘く食べやすい。
- お好み焼き風チヂミ:キャベツやにらを細かく刻んで粉に混ぜる。ソース味なので抵抗なくパクパク。
- オムライス:ケチャップ味は子どもが大好き。玉ねぎやピーマンを細かく入れても意外と食べられました。
長期的に見守ることの大切さ
偏食対策を続けていて気づいたのは「焦らず、子どものペースを信じること」が一番大事だということです。
以前の私は「早く食べてほしい」「今すぐ改善したい」と思っていました。でも、子どもは年齢や発達段階によって食べられるようになるものが自然に増えていくんです。
例えば、
- 2歳の頃は白ごはんしか食べなかったのに、3歳を過ぎたら納豆ご飯が大好きに。
- 4歳になったら急に「にんじん甘いね」と言って食べるようになった。
こうした「成長による変化」があるので、「今食べられないから一生食べない」とは限らないのです。
偏食を通じて学んだこと
私自身が学んだのは、偏食は「親の根気」を試される場面でもありましたが、同時に「親子で一緒に乗り越える小さな冒険」でもあるということです。
- 食べられるようになった瞬間に「一緒に喜ぶ」
- 食べられなくても「また挑戦できるよ」と励ます
- 無理をせず「楽しく食卓を囲むこと」を一番大事にする
これを繰り返すことで、子どもも少しずつ変わり、私自身も気持ちが楽になりました。
管理栄養士さんに相談して気づいたこと
一時期、本当に子どもが何も食べずに泣きそうになったとき、思い切って管理栄養士さんに相談しました。そのときに言われたのが印象的です。
- 「偏食は“今食べられるもの”を大事にすれば大丈夫」
- 「無理に食べさせなくても、少しずつ食べられるようになる」
- 「バランスは一食単位じゃなくて、一週間単位で考えればいい」
このアドバイスでかなり心が軽くなりました。確かに1日で見ればごはんと味噌汁だけしか食べなかった日もありましたが、別の日にお肉や果物を食べてくれればトータルで栄養は補えるんですよね。
小児科で言われた安心できた言葉
小児科の先生にも「体重と身長がちゃんと伸びているなら心配しすぎなくていい」と言われました。発育曲線に沿って成長しているなら、多少の偏食は大きな問題にならないそうです。
その言葉に救われて、「とりあえず身長・体重を記録して成長を確認する」習慣をつけました。数字で安心できるようになると、食事のプレッシャーが減りました。
家族で取り組む工夫
偏食はママだけが抱え込むと本当にしんどいです。我が家では「家族みんなで協力する」という意識を持つようにしました。
- 夫も一緒に食卓に座る:父親が美味しそうに野菜を食べると、子どもも真似することがあります。
- 祖父母に預けるときも方針を共有:「無理に食べさせないでね」と伝えておくと、子どもも安心。
- 兄弟姉妹がいる場合は“見本役”になる:下の子は上の子の真似をして食べられるようになることも。
家庭全体で「楽しく食べる空気」を作ることが一番の効果でした。
親が自分を責めないために
正直に言うと、偏食がひどかった時期は「私の料理がダメなのかな」「母親失格かも」と泣いたこともあります。SNSで「モリモリ食べる子ども」の写真を見るたびに落ち込んでいました。
でも、偏食は子どもの個性であり成長の一部。親のせいではないんです。むしろ「工夫して試行錯誤している」時点で、すでに十分すぎるほど頑張っています。
私は「今日はこれで十分」と自分に言い聞かせるようにしました。少し食べられたら合格、それだけでいいんです。
偏食を通して得られた親としての成長
今振り返ると、偏食の時期は本当に大変でしたが、だからこそ学べたこともありました。
- 子どもを「コントロールする」のではなく「寄り添う」ことの大切さ
- 完璧を求めず「できたことに目を向ける」習慣
- 家族で協力することで家庭全体が前向きになる
食べられるものが増えた時の喜びは、何よりも大きな達成感でした。
親としての気持ちとこれからの工夫
子どもの偏食に向き合うなかで一番大切だと感じたのは、「完璧を目指さない」 という気持ちでした。栄養バランスや食育ももちろん大切ですが、毎食100点を取る必要はありません。むしろ親が「食べさせなきゃ」と必死になりすぎると、子どもはプレッシャーを感じて余計に食事が嫌いになってしまうこともあります。
私は「今日はこれだけ食べられたからOK」「昨日より一口増えたから進歩!」と、できたことに注目するようにしました。子どもが一口でも挑戦したら「よく食べてくれたね!」と笑顔で伝える。そんな小さな積み重ねが、子どもの「食べるって楽しい」という気持ちにつながるのだと思います。
偏食は成長の一部
小児科の先生から「偏食は多くの子が通る道ですよ」と聞いたとき、とても安心したのを覚えています。成長とともに食の幅は自然に広がっていきます。無理に矯正しようとするのではなく、「今はこういう時期」 と受け入れることで、親の心も軽くなりました。
実際に、以前は絶対に食べなかったトマトを、幼稚園で友だちと一緒に食べたのをきっかけに家でも食べられるようになったことがあります。家庭での努力も大切ですが、環境や成長が後押ししてくれる瞬間もあるのだと学びました。
私がやってよかったことまとめ
- 「無理に食べさせない」姿勢でプレッシャーを減らす
- 食べられるものをベースに、少しずつ新しい食材を取り入れる
- 見た目や盛り付けを工夫して「食べたい気持ち」を引き出す
- 一口食べられたら大げさに褒める
- 食べられなくても「いいよ」と安心させる
こうした工夫を続けた結果、今では好き嫌いはあるものの、「食べることが嫌い」 という気持ちはなくなり、少しずつ食の幅も広がってきています。
おわりに
偏食の悩みは、親にとってはとても大きく見えるものですが、子どもにとっては成長のひとつの過程です。親が焦らず寄り添いながら「楽しい食卓」をつくることこそが、一番の栄養だと私は感じています。
「うちの子は全然食べない」「どうして他の子みたいに食べないの?」と落ち込む日もありますが、その気持ちも含めて、子育ての大切な時間なのかもしれません。悩みながらも、一歩ずつ子どもと一緒に前に進んでいけたら、それで十分。完璧じゃなくても大丈夫。子どものペースに合わせて、少しずつ偏食と向き合っていきましょう。
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