──「どうせできない」とつぶやいた息子の言葉から始まった、私の気づき
「ぼくなんて、どうせできない」
息子が4歳のときにポツンと口にしたこの言葉。
たぶん、本人は何気なく言っただけだったんだと思う。でも私は、その瞬間すごくショックで、胸がぎゅっと締めつけられた。
まだこんなに小さいのに、自分をそんなふうに否定しちゃうんだ……。
ちゃんと愛してきたつもりだったし、たくさん褒めてきたつもりだった。
それなのに、なんでこんな言葉が出てくるんだろう?って。
そこから私は、「自己肯定感」っていう言葉に本気で向き合うようになった。
この記事は、そんな私自身の育児の中での気づきと、
試行錯誤しながらもやってきたことを正直に書いてみたもの。
専門家じゃないけど、同じように悩んでいるママやパパのヒントになれたら嬉しい。
- 自己肯定感って、結局なんなの?
- 自己肯定感が育つのは、小さな安心の積み重ねから
- 私自身が「自己肯定感が低い親」だったと気づいたとき
- 無意識に「いい子じゃないとダメ」と思わせてたかもしれない
- 「自分がどう育てられたか」を振り返るようになった
- 私が試してみてよかった関わり方7つ
- 他のママと比べて落ち込んだ日々と、そのあとに見えてきたこと
- 比較は“情報”として受け取るくらいがちょうどいい
- その子のペースで育っていく。それが一番大事なこと
- それでもうまくいかない日もある。そんなときの私の過ごし方
- 自分を責めすぎないように、私がしていること
- 「ダメな日もある」って思えるようになってから、気持ちが軽くなった
- 自己肯定感は“育てる”ものじゃなく“育っていく”もの
- 親が焦らなくていい理由
- 最後に、この記事を読んでくれたあなたへ
- 🌱 まとめ
自己肯定感って、結局なんなの?
この言葉、ここ数年でよく耳にするようになったけど、正直あんまりピンときてなかった。
「自信がある」とか「ポジティブ思考」とか、そんなイメージを持ってた人も多いんじゃないかな。私もそうだった。
でも実際には、自己肯定感って「うまくできた」とか「成功した」っていう実績とは関係ないんだよね。
もっと根っこの部分、言い換えれば“うまくいかなくても自分でいて大丈夫と思える心”っていうか。
何かができたから「私は価値がある」じゃなくて、
できなくても「私はここにいていい存在」って思えること。
この違いって、すごく大きいと思う。
自己肯定感が育つのは、小さな安心の積み重ねから
じゃあ、どうやって子どもの自己肯定感って育つんだろう?って考えたとき、
私がまず思い出したのは赤ちゃんのときのこと。
泣けばすぐに抱っこして、
お腹が空いたらミルクをあげて、
おむつが濡れたらすぐに替えてあげる。
何もできない存在なのに、全力で愛されてる。
その経験の積み重ねが、「私は大丈夫」「私は大切にされている」っていう感覚につながっていく。
つまり、自己肯定感の土台って「無条件の愛」なんだと思う。
何かを達成したからじゃなく、
ただ「あなたがあなたでいてくれることがうれしい」と伝えていくこと。
私自身が「自己肯定感が低い親」だったと気づいたとき
子どもが生まれる前は、自分の自己肯定感のことなんて深く考えたことがなかった。
でも、育児が始まってからすぐに気づいたんだよね。
あれ、私ってけっこう自己否定してるかも、って。
ミスがあるとすぐ「自分なんて」って思っちゃうし、
人の目ばっかり気にして「ちゃんとしなきゃ」って無理するし、
誰かに褒められても「いやいや全然」って受け取れない。
こういうの、ぜんぶ私が子どものころから染みついてきた考え方だったんだと思う。
無意識に「いい子じゃないとダメ」と思わせてたかもしれない
ある日、2歳だった息子が絵本を片付けなかったことがあって。
私はつい、「なんで出しっぱなしなの!片付けなさい!」ってきつく言ってしまった。
本人はきょとんとして、「遊んでたのに…」って小さな声で言った。
その時にふっと、「私、何を求めてるんだろう」って思った。
もちろんルールを教えることも大事なんだけど、
私の中にはどこかで「ちゃんとできる子でいてほしい」「周りに迷惑をかけないで」って気持ちが強くあって。
それって結局、「できないあなたはダメ」っていうメッセージになっちゃうんだよね。
それに気づいて、私はゾッとした。
「自分がどう育てられたか」を振り返るようになった
私自身、子どものころは「100点を取ったら褒められる」「良い子にしてたら可愛がられる」っていう経験が多かった。
逆に言うと、「何もしてない私は価値がない」「ダメな私は怒られる」って感じてた。
だからなのか、いつの間にか「条件つきの愛され方」が当たり前になってた。
親に悪気はなかったと思う。
でも、大人になってもずっと「ちゃんとしてない自分」を責めるクセが残ってた。
それを、無意識のうちに子どもに引き継いでしまいそうになってたんだと思う。
私が試してみてよかった関わり方7つ
1. 「できたこと」を一緒に見つける
子どもって、自分で自分のことを褒めるのがまだ難しい。
だからつい、できなかったことにばっかり目がいっちゃうんだよね。
うちの子も、失敗したときはすぐ「ダメだった…」って口にするタイプだった。
だから私は、意識的に「できたこと」を一緒に見つけるようにした。
たとえば、
- 自分で靴を履けた
- おもちゃを貸してあげられた
- お箸をちょっと使えた
そういう“ちいさなできた”を見つけて、「さっきの、すごく素敵だったね」って伝える。
褒めるというより、「見てたよ」って感じで。
これを繰り返していくと、子どもも少しずつ「自分って、できてることあるんだ」って実感できるみたい。
2. 「頑張ったね」より「見てたよ」「やってたね」
「頑張ったね」って言葉、つい口から出るけど、実はけっこう奥が深い。
うちの子は、「頑張ってないとダメなの?」って反応しちゃうときがあったんだよね。
だから私は、「頑張ったね」よりも、「最後までやってたね」「途中でやめなかったね」みたいな“実況中継”みたいな言葉に変えてみた。
これが意外と良くて。
「見てくれてる」って感覚が、子どもにはすごく安心につながるみたい。
評価じゃなくて、存在をそのまま見てもらえてるってことが、心の支えになるのかもしれない。
3. 失敗したときに「怒らない」を超えて「受け止める」
うちの子、失敗にめちゃくちゃ敏感。
少しでもミスすると、「もうやらない!」って投げ出しちゃう。
最初の頃、私も「そんなことで諦めないで」とか「ちゃんとやりなさい」って言ってしまってた。
でもそれ、本人にとっては“責められた”って感覚になってたと思う。
それからは、
「失敗しても平気」じゃなくて、「失敗しても大丈夫な空気」を作ることを意識した。
コップをこぼしたときも、「うわ、こぼれちゃったね〜。じゃあ拭こうか」ってサラッと対応。
“責める”でも“無視する”でもなく、“一緒に受け止める”。
そのうち子ども自身も、「またやってみるね」って言えるようになってきた。
こういう変化が見えると、本当にうれしい。
4. 比べない。「昨日のきみ」と比べる
比べちゃいけないってわかってても、つい「〇〇くんはできてたのに」って言いたくなるとき、あるよね…。
でもそれって、大人でも傷つくこと。
「他の子と比べない」を徹底してから、私は「過去のあなたと比べる」を意識するようにした。
たとえば、
「昨日は泣いて言えなかったけど、今日は言えたね」
「前は途中でやめちゃってたけど、今日は最後までできたね」
比べるなら、他の誰かじゃなくて、昨日の自分。
これって、子どもにとってもすごく心が軽くなるみたい。
5. 「ママもミスするよ」と笑って伝える
子どもにとって、ママやパパってなんでもできる“すごい存在”に見えるらしい。
でもそれって、プレッシャーでもあるよね。
だから私は、自分がミスしたときこそチャンスだと思って、
「うわ〜ママまたカギ忘れた〜」「今日お米炊くの忘れてた〜」って笑って言うようにしてる。
最初は「えっ」って顔してたけど、
だんだん子どもも「ミスっても大丈夫なんだ」って受け止められるようになった気がする。
完璧な親より、“ちょっとドジな親”のほうが、案外子どもに安心を与えるのかもしれない。
6. 話を最後まで聞く。「うん」「そっか」「それで?」
育児中って、本当に時間との勝負で、
話の途中で「あとにして」って言いたくなることが山ほどある。
でも、グッとこらえて、ちゃんと最後まで聞くようにしてる。
話の内容がくだらなくても、ちゃんと聞いてくれる大人がいるっていう体験って、
子どもの「自分は大事にされてる」って感覚につながるんだよね。
「うん」「そっか」「それでどうなったの?」
この3つをセットにして話を聞くようにしたら、
息子もだんだん自分の気持ちや考えを言葉にするのが上手になってきた。
7. 「どんなあなたも大好き」を、何度でも伝える
怒ったあとも、イライラしてしまった日も、
寝る前には必ず「今日も大好きだよ」って伝えてる。
できたから好き、良い子だったから好き、じゃなくて、
「あなたはあなたでいるだけで、大事な存在だよ」って、ただそれだけ。
言葉にしなくても伝わるかもしれないけど、
私はあえて言葉にするようにしてる。
そのほうが、本人の中にしっかり残る気がするから。
他のママと比べて落ち込んだ日々と、そのあとに見えてきたこと
育児をしてると、どうしても目に入っちゃうんだよね。他の子の成長とか、他のママのやり方とか。
SNSやママ友との会話で、「えっ、そんなにできるの?」ってびっくりすることもたくさんあった。
うちの子は、どちらかというとゆっくりタイプ。
言葉も遅めだったし、トイレトレーニングもまったく進まなくて、焦る気持ちばかりが先にきてた。
「なんでうちの子だけできないの?」
「私の育て方が悪いのかな?」
って、自分を責めるようになってた。
比較は“情報”として受け取るくらいがちょうどいい
ある日、久しぶりに会ったママ友に「うちの子、もうひらがな読めるんだ〜」って言われて、
正直ちょっとザワッとした。
うちはまだ名前すらちゃんと書けなかったから、「やばい…遅れてる?」って焦った。
でも、その日の夜ふと気づいた。
あのママ友は、子どもに毎晩絵本を読みながら文字の練習をしてるって言ってたなって。
私はというと、最近バタバタで寝かしつけもYouTubeに頼ってばかりだった。
そりゃ違うよね、って。
だからそれ以来、「比べる」んじゃなくて、「あ、そういうやり方もあるんだ」って
情報として受け取るように意識を変えた。
すると、すごく心がラクになった。
その子のペースで育っていく。それが一番大事なこと
子どもって、本当にひとりひとり全然違う。
早くできる子もいれば、ゆっくりな子もいるし、何が得意かも違う。
他の子が早くできたからって、それが正解なわけじゃないし、
遅いからって、ダメなわけでもない。
今では、うちの子は「自分のペースでゆっくり育つ子なんだな」って思えるようになった。
焦ったって、比べたって、子どもは子どものリズムでしか育たないんだよね。
親にできるのは、「それで大丈夫だよ」って寄り添ってあげることなんだと思う。
それでもうまくいかない日もある。そんなときの私の過ごし方
正直に言うと、どんなに頑張ってても、どうしてもうまくいかない日ってある。
イライラしてしまって、あとで自己嫌悪に陥ったり、子どもの前で泣いちゃったこともある。
そんな日は、「私、何やってるんだろう…」って落ち込む。
「こんなママでごめんね」って思うことだってある。
自分を責めすぎないように、私がしていること
うまくいかなかった日は、まず自分に「今日はうまくいかなかったね」って声をかける。
「でも、今日もごはん作って、寝かしつけまで頑張ったじゃん」って、自分の中の良かったところも探す。
子どもだけじゃなくて、自分のことも認めてあげるって、すごく大事なんだなって思った。
夜にお気に入りの紅茶を飲むとか、
10分だけでもひとりの時間を作るとか、
ほんのちょっとでも「自分をリセットできる何か」をするだけで、気持ちがラクになる。
「ダメな日もある」って思えるようになってから、気持ちが軽くなった
前は、完璧を目指しすぎてた。
いいママじゃなきゃダメ、子どもをしっかり育てなきゃダメ、って。
でも今は、うまくいかない日も含めて「人間だもん」って思えるようになった。
むしろそういう姿を子どもに見せることって、すごく大事なことなのかもしれない。
「ママも失敗するし、怒ることもあるけど、ちゃんとあなたのこと大切に思ってるよ」
そういうのが、子どもの中にちゃんと残っていってくれたらいいなと思ってる。
自己肯定感は“育てる”ものじゃなく“育っていく”もの
最初に「子どもの自己肯定感を育むにはどうしたらいいの?」って考え始めたとき、私は“親の努力で育てるもの”だと思ってた。
でも実際には、そうじゃなかった。
親ができるのは、子どもが「自分って大丈夫」って感じられるような環境を用意してあげること。
あとは、日々の小さな関わりの中で「愛されてる」って実感を積み重ねていくこと。
それがあれば、自己肯定感って自然に“育っていく”んだと思う。
つまり、親が無理に頑張って植えつけるものじゃない。
子どもの中にすでに芽はあって、私たちはそれを踏みつけないように、安心して育てられる土を守ってあげる存在でいればいい。
親が焦らなくていい理由
正直、私はずっと焦ってた。
「この子の自己肯定感が低いままだったらどうしよう」
「私の育て方が間違ってるんじゃないか」
そんなふうに不安でいっぱいだった。
でも、育児をしてるうちに気づいたんだよね。
子どもって、親が思う以上にしなやかで強い。
一度落ち込んだり自己否定したとしても、また立ち上がれる力を持ってる。
だから親が「全部を背負い込まなくちゃ」って気負わなくてもいい。
むしろ親がホッとした顔をしていることの方が、子どもにとっては安心につながるんだと思う。
最後に、この記事を読んでくれたあなたへ
もし今、子どもの自己肯定感について悩んでるなら、まず自分に言ってほしい。
「私もよくやってるよ」って。
子どもにとって一番大事なのは、完璧な親じゃなくて、ちゃんと寄り添ってくれる親。
間違えても、イライラしても、落ち込んでも、それでも「大好きだよ」って言ってくれる存在。
それがあるだけで、子どもはちゃんと育っていく。
自己肯定感も、その中で少しずつ育っていく。
この記事が、少しでもあなたの心を軽くできたなら嬉しいです。
そして「今日も大好きって伝えよう」って思えるきっかけになれたら、もっと嬉しいです。
🌱 まとめ
- 自己肯定感は「うまくできる自分」じゃなくて「できなくても自分で大丈夫と思える心」
- 土台は“無条件の愛”と“安心感”
- 親ができるのは、日々の中で「見てるよ」「大丈夫だよ」と伝えていくこと
- 比べなくていい。焦らなくていい。
- 完璧じゃない親でいい。寄り添う気持ちがあるだけで十分
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